デルタの羊 感想
買ったのは結構前だけど読み始めたのは昨日で、面白かったから一気に読んじゃった。こんなにガガガって読んだのも久しぶりかも?
もともとは速水奨さんのリツイートかな?でアニメ業界を描いた本っていうので名前だけインプットされてて、いつか買おうかなって思ってたら、たまたま暇な時間ができて、本屋に寄ったら平置きされてて買った感じ。
作者さんの塩田武士さんの名前は知ってて、KADOKAWAの株主優待で本も頼んだのに、結局3年くらい読まずに放置されてたから、この前売ったばっかりっていうのを今後悔している。
内容にあまり触れすぎずに紹介すると、アニメ業界の人が主人公で主に2視点で進んでいきます。1人は製作のプロデューサー。もう1人はアニメーター。
最初に読む前はハケンアニメみたいな感じかな?と思っていたら、コロナ禍とか、最近の業界事情とか結構リアルな話を織り交ぜつつの話しで、かといってリアル過ぎない、フィクションも多分に含まれている作品。個人的には感動系と言うよりは青春系のイメージのお話。
以下ネタバレあり。
プロローグはアルカディアの翼という渡瀬が製作したかったアニメになっていてここだけ読むと業界の話はってなるけど、次読み進めれば全然業界の話になっていく。
一章は製作の仕事内容とか、最近のアニメは多すぎるとか、ビジネスモデルとしてのアニメについての話が結構面白かった印象。最後にまさかの原作者と声優が繋がっている、というところで終わり、続きが気になると思って2章を開くと主人公が変わってるという、、、。今度はアニメーターの話。それでもって最後に衝撃展開ですよね。渡瀬のキャラ表。
え??
ってなりませんでしたか??アルカディアが作られた世界だから、この渡瀬も作られた世界なの???って思ったら次は渡瀬の話になって記憶を呼び戻して読んでいくという、、、
ちなみにこの3章でアルカディアは頓挫しますね。まさかの4股。
そして、4章。文月の参加していたアニメはドキュメンタリーだったという。しかも2年前。
どういう状況???
となりましたね。この時点で個人的な盛り上がりが凄かった。え?どうなるの?みたいな。
でも、この章で、文月の参加してた作品も頓挫。
それで、まさかまさか、愛媛にて2人が再開する5章。ここで幼馴染であることが発覚。
いや、どこまで繋がるねん、と。
で、6章でアニメ作り始めて、7章で発表。だいたいこんな感じの流れ。
最後の方はムネアツやったなあ。
大門が結構やなやつなんだよな。アニメファンの敵ですね。笑笑。
最後に、CGアニメを持ってくるじゃないですか、そこでの評価が、驚きはするが、感動しないというアニメの芯を捉えたような評価なんですよね。アニメだからこそ、良い部分があるという。虚構であることで、伝えられる物事があるというか、、。
全体を通して文体も読みやすいし、関係性がガンガン変わっていくから読み飽きないし、これはすごいなと。
これを読んでて思うのは、こういう人たちを助けるためには(こういうこと考えてる時点で上から目線)どうすればいいのかという。アニメ業界の課題点というか、ビジネスとして完全には成り立っていないというか、、、。人と人のつながりは、もちろん大切なんだけど、それが前提で進んでいる業界なのかなっていうのがこの本を読んだ時の感想。人望で仕事が出来ていく業界なんだけど、その人たちが大切にされていないというか、、、せっかく熱意がある人をつぶしにいってるような印象なんですよね。君嘘のスタッフコメンタリーでもあったと思うんだけど、制作進行がどんどんやめていくっていう話。今回は木塚さん(?)があおり運転をして事故を起こすっていうなかなか厳しい内容だったけど、こういう面が本当にありそうで怖いなと。
好きなことを仕事にしている人がすべてではないと思うけど、アニメ業界はアニメが好きな人たちが集まっていますよね。逃げ恥であった言葉を引用すると、好きの搾取。をしているんじゃないかと。もちろん好きなことを仕事にしてもいいんだけど、そうじゃなくても続けられるような仕事じゃないと人がつぶれていく、またはやめていく人が増えていい人材が集まらない、という風になっているのではと。
慢性的な人材不足とかいろいろ課題はあるのに、アニメの本数は多い。声優も多い。こう、、、1話に300人関わるんだって、、、、やばいよね。
ああ、まだ学生なので職業についてない人がいろいろ言うのもあれですけど、、、、アニメ業界には就かないだろうな。ただただ消費者で居続けたい。
|
p.s.
メルカリで夜に売りに出して、寝て起きたら売れてた。早いなあ。